子どもの自立はいつから始まるのでしょうか。
そもそも自立とはどんな姿を意味するのか、
保護者の皆様はどのようにお考えですか?
立派に成人して自分で生計を営むことが
多くのイメージかもしれませんが、
唐突にそんな日が
やってくるわけではありませんね。
「自立」という言葉を調べてみると、
「他からの支配や助力を受けずに存在すること」
という説明があります。
強い主体性と安定した自己肯定感が
そのために必要な力であることがわかります。
その力が少しづつ育まれていく過程が
「育ち」なのでしょう。
出産してお臍の緒を切り離した時、
母乳を飲まなくなった時、
つかまり立ちの手が離せた時、
「じぶんでー!」と言って介助を嫌がった時、
手を振り払って行きたい所へ駆け出した時、
お友達のいる保育園へ楽しげに登園して行く時…。
こんな瞬間に子どもは、自分自身の力で
「自立」という階段を
昇っているのでしょうね。
時々停滞したり、
段差につまづいたりしながらも、
確実に上に向かう力を、
どの子も本能的に兼ね備えています。
コマなしの自転車に
チャレンジする子どもの、
後輪上部の台に添えた両手を
離した時の感覚は、嬉しいような寂しような、
でもやっぱり嬉しい…親心はこんな感じでしょうか。
早く離し過ぎると転倒してしまうし、
ずっと持っていると
いつまでも乗れるようにならない。
その子がタイミングをつかんだ時に
「今だっ!」とやや押し出すようにして
手離す時もあります。
様々な育ちの過程で、大人の手の離し時は
とても重要ではないかと考えています。
これという正解やマニュアルなどは
ありませんが、大人の都合ではなく
子どもの存在を認めて
「今だッ!」を見極めなければなりません。
この時期や方法を見誤ることで、
学童期、思春期の悩みを増やすとも
言われていますがその話はまたどこかで…。
もちろん、大人だって失敗したり
悩んだりもしますので
「今か?」「ちがった!」
も大いにアリです。
そんな時はどうか、一緒に悩ませてください。