「昨日からドキドキしてあまり眠れませんでした。」
新年早々の園の事務所で、
身支度を整える中村先生。
黒ずくめの上下に、獅子頭を被り
風呂敷で背部を隠します。

ふじのもり保育園で
多様なお楽しみを支えてきた中村先生の、
どこか手慣れた感じと、
子どもたちに向かう気迫は
保育士の鏡ともいえる姿です。

さあ、今年も子どもたちの無病息災、
健やかな成長を祈り、勇ましく獅子舞さんが
保育室へ向かいます!
初めて見る物に驚く子、
恒例の行事にドキドキし、
たまらず泣き出す子、
ぐっとこらえて頭を噛んでもらう子…。
0歳~5歳児の成長してゆく姿が
最もわかりやすく見える行事のひとつです。
怖くてたまらない2歳児の男の子を
ぎゅっと抱きしめる年長児の女の子。
何年か前に自分がそうしてもらったように、
女の子は男の子の耳元で
「だいじょうぶやで。」
と優しく声をかけます。
迫り来る獅子舞に再び視線を向ける二人。
人の優しさに触れながら、
不安を勇気に変えていく力が
芽生えようとしています。