幼児クラスの給食後のひととき。
ちょっとした勘違いから女の子が
振り上げた手が相手の女の子の頬にぶつかり、
ぶつけられた子は頬を抑え、
悪気のなかった子は気まずい表情になり、
二人の間はたちまち重い空気に・・・。
その後もお互いを気にしながら
なかなか状況は好転しません。
落ち着いたタイミングを見計らって
二人でお話をすることになりました。
思いがけず手をぶつけてしまった子が、
うつむきながら
「ごめんって言いたい気持ちはあるけど
どうしても言われへんかった。」
と言いました。
その後もしばらく言葉や
気持ちのかけ違いを乗り越えながら、
最後に相手の子は
「じゃあさ、言える時でいいから
どんな時でもいいから言ってね。」
「うん。わかった。」
と約束して二人は園庭へ遊びに行きました。
その場ですぐに解決し、
晴れやかな表情になったわけではありません。
ただ、自分の気持ちを言葉にし、
相手の気持ちも想像力をもって
聴くやりとりがされたように見えました。
こんな時私はいつも、
子どもの持つ様々な
「力」を尊敬せずにはいられません。
素直な表現力、柔軟な思考力・・・
大人になっても忘れてはならない
大切なことを教えてくれました。