先月号のおたよりに載せた
「子育てひとりごと」本コーナー始まって以来、
初めて保護者の方からのお言葉を頂戴しました。

小さな文字に目を運んで
読んでいただけていることを実感し、
嬉しかったのと同時に、
反省することがありました。

そのお母様は、コーナーで取り上げた女の子は
「もしかしてうちの子では?」と思われ、
ご心配の面もちでお話しされたようです。

心ならずもお母様の気持ちを
不安にさせてしまったことを苦しく思い、
先月号を読み返してみました。

「バ~カ。」と言ったことを
保育者に咎められまいと、
「バナナのおうさまって言っただけ」
と頑なに言い張る子ども。
ここでこの子にごまかされては、
この不適切な言動は
永遠に続くのではないかと不安になり、
さらに叱りつけたところで、
きっと彼女にはなぜしかられたかよりも、
自分の言い分など全て否定され、
強く怒られたことしか心に残りません。
私はあえて騙されることにしました。

「な~んやバナナの王様って言ったの。
先生は、ば~かって言われたように
聞こえたから、すごく悲しくなって
嫌な気持ちになったの。
でも聞き間違いだったら仕方ないか。
それにしても、ば~か!なんて
言われたんじゃなくて本当に良かったぁ。」

うつむいた顔をあげた彼女は、
いっぱい涙をためた目で、
まっすぐ私を見上げていました。
その表情から見てとれるのは、
決して「嘘でごまかしてやったぞ!」
というものではなかったはずです。
不適切な行動は否定しても、
その子の人格を認めてあげたい。
子育ては、正しい答えがみつからないことや、
悩み多きこともありますが、
子どもへの愛情や願いを共にもちながら、
保護者のみなさまと様々な思いを
分かち合っていきたいと切に思います。
少々固い文面になりましたが・・・。