先日、大阪府社会福祉協議会保育部会の取材があり、ふじのもり保育園を紹介する記事の執筆にあたり、担当の委員さんが来園されました。
園内をひととおり見学され、帰り際に4・5歳児の保育室を再び通りかかった時、子どもたちの様子を観て「素晴らしいですね!」と驚かれました。
午後の自由遊びが終わり、これからおやつの準備をする時間。ほんの数分前までは思い思いの遊びで盛り上がり、賑やかな声が飛びかっていた場面から一変、子どもたちは絵本を読み始める保育士の前に静かに座っていたからです。落ち着いた調子で保育士が読み始める絵本の世界に引き込まれるように見入り、聴き入る子どもたち。ふじのもりでは日常的な光景に驚かれたことに私も驚きました。
「取材で様々な保育園を訪問しているけれど、なかなか大変な様子を目にすることもたくさんあって…。」と仰いました。わが子を褒められたような、照れくさい気持ちになりましたが、改めて子どもたちの集中力や、切り替える力、聴こうとする姿勢に尊い育ちを感じました。
また、保育者の日々の丁寧なかかわりにも思いが巡りました。なぜ子どもたちがお話しを聞いてくれるのか?そこには自分の話しもたくさん聴いてもらった経験や、楽しいこと・興味がある題材に対する話しを聞くことで知ることの喜びを味わった経験の積み重ねがあるからではないかと考えます。
一方的に「お話し聞きなさい。静かにしなさい。」と言われて、見通しの立たない退屈を味わってしまえば、どんな子どもも話しを聞くことが苦手になるかもしれません。保育者は子どもたちの発達段階をふまえ、何に興味があるか、どんな聞かせ方をすれば心を向けてくれるのか、試行錯誤し、時には涙ぐましい努力を重ねながら保育を組み立てています。
先月実施したCAPプログラムの講師の先生も同じようにすいか組の子どもたちのことを褒めておられました。またプログラム終了後には「知らないことを知るってめっちゃ楽しい!」と目を輝かせて話す子どもがいました。これこそが、就学前教育の根幹であるととても嬉しい気持ちになり、これからも大切に、丁寧に育んでいかなくてはと深く思いました。