桜のつぼみが膨らみ、
ひとつふたつ咲き始め、
やがて満開を迎え、
清々しい風に吹かれて舞い散り、
つつじの花が甘い香りをさせて道を彩り、
毛虫がひょっこり現れる…。
例年と変わらない春の風景です。
しかしながら、ここで営む保育は
これまでにない景色の連続です。
卒園式、入園式に地域の皆様の姿はなく、
日々の保育では保育士は
全員マスクをつけています。
日中にご在宅の方が増えた近隣環境に配慮し、
和太鼓を打つことも控えています。
行事の催行も中止を余儀なくされ、
子どもたちの安心・安全を守りながら
保育機能を持続するための
注意や判断の連続です。
家庭保育にご協力くださっている
保護者の皆様には、
心よりお礼申し上げます。
また、就労のため出勤を
続けておられる保護者のみなさまにも
保育時間の短縮などで
ご不便をおかけしております。
お子様の登園に際しましては、
普段以上の健康管理にご留意いただき、
全ての保護者の皆様のおかげで、
今日保育園で過ごす子どもたちの笑顔に
会えているのだと思うと
「有り難い」の言葉に尽きます。
先日、玉川女性会のみなさまから全園児、
職員分の布マスクをご寄贈いただきました。
様々な模様の生地で立体的に作られ、
1枚づつ包装された袋には
「子どもたちの笑顔を願って」と
温かいメッセージが書かれていました。
式典へのご来賓があらずとも、
地域の方々にこんなに心強い応援を
いただいていることに気づかされました。
和太鼓が打てなくても、
行事がいつも通りでなくても、
子どもの育ちにとって大切なこと、
必要な保育を試行錯誤しながら
見極めていかなければなりません。
このような時だからこそ、
人とのつながりや思いやり、
工夫や発想という人間らしい力が
大切なのだと身に染みて感じています。
はるか昔の先人が、
戦争や飢餓、未知の疫病を
乗り越えてきたように、
人間らしい柔らかな力を発揮して
進んでいかなければなりません。
そんな大人の後姿を
見て育つ子どもたちが将来、
逞しい力で困難を
乗り越えていくことを願って…。