昼下がりの幼児クラス、自由遊びの時間です。
コーナーごとに異なる遊びを
それぞれが楽しんでいます。
ブロックのコーナーで
何だか不穏な空気が!
今にも泣きそうに唇をかみしめる子、
どうやら怒っている子、
その二人を仲介しようとする子、
3人3様のお顔はどの子も真剣です。
あふれる感情や、言葉にならない気持ち、
大好きなはずのお友達への思いが入り乱れ、
何とも言えない緊張感が漂います。
生まれてわずか4~5年の間に
培った言語力や表現力を振り絞り、
心の丈いっぱいにぶつかり合う姿に、
思わず心を射抜かれる私。
ここで大切なのは、
決して大人がジャッジしないこと。
子どもたち自身で考え、
他者の気持ちに触れて理解しよう
とする貴重な機会を、
大人の決めつけで奪ってはなりません。
その場にいた3人は、
それはそれは見事な論理的見解を見つけ出し、
平和的な解決へと向かっていったのです。
いつもいつも平和に解決できることばかりでは
もちろんありません。
モヤっとしてしまったり、
折り合いのつかない気持ちを
手放すのに時間を要することもあります。
まだまだ保育者が仲介したり
導いたりすることもありますが、
子どもたちはそんな日々の中で、
他者理解を深め、健康的な自己表現を
身につけていきます。
その過程では発達段階に応じた
適切な大人のかかわり方も
大きく影響するのですが、
それはまた別の機会に…。
とにかく、ここに育っている
この子たちの尊い力こそが、
さらに進化する近い未来を
生き抜く力につながるのだと
思うと益々興味深く、
大切に見守りたい
『ぶつかり稽古』なのでした。