けたたましい蝉の声が
園庭に響く季節になりました。
成虫になってからは2~3週間という
儚い寿命を全うするかのような命の声です。
園庭まわりの樹木には無数の蝉。
子どもたちの好奇心をくすぐります。
木の幹にとまる蝉に
手を伸ばす子どもの眼差しは真剣そのもの。
「背中と羽(の付け根)のところを
持ったらいいねんで!」
とお友達に見せる姿は何とも逞しく、
微笑ましくなります。
ここで、「命の大切さを教えよう!」
などと欲張ってはいけません。
大人はついつい子どもの幸せを
願いすぎて先走ってしまうことがあります。
命の尊さを説こうとして
言葉を尽くすよりも、まずは見て、
触れて、感じる経験を
存分にさせてあげることが
大切なのだと実感しました。
両手に蝉をつまむ指は、
壊してしまわず、
逃がしてしまわない絶妙な力加減。
考えてみれば結構難しいことです。
だけどちゃんとそれをわかっていて、
お友達にも教えてあげることができるなんて!
最後にはそっと両手を開いて
飛んでいく蝉を見送っていました。
「ちょっとしか生きられないからって
ママが言ってたからさ。」と
後で私に教えてくれました。
お母さん、素晴らしい!